せっかく睡眠習慣や食習慣を改善していても、顔の皮膚や頭皮へ血液、酸素、栄養をスムーズに送る事ができなければ意味がありません。ここでは顔の皮膚への血流を促すためのトレーニングや、頭皮への血流を促すためのマッサージの方法について、私なりに考えた事をまとめています。

顔の筋肉はその人の「外からは見えない部分」を表現する

人間は様々な感情を顔だけで表現する事ができます。しかしそれを表現するために必要な顔の筋肉は、人によって「よく使う筋肉」と「あまり使われない筋肉」が大きく異なる場合があり、特にその積み重ねは人間の「外からは見えない部分(人格的なものや、普段行っている生活習慣、健康に対する考え方等)」も表す事ができます。

例えば普段からよく笑う人では頬の筋肉が発達しやすく、その積み重ねによって口角(口の両端)も上がりやすくなります。口角が上がると、明るい人、良い人、面白い人、優しい人、機嫌が良いなど一般的にポジティブな印象を与える事ができます。一方、あまり感情表現をしない人では頬の筋肉が発達しにくく、口角も下がってしまいます。口角が下がると、暗い人、怖い人、頑固な人、怒りっぽい人、機嫌が悪いなどネガティブな印象を与える事が多いです。そのように普段から行っている感情表現によっては、その人の第一印象を決める重要な要素にもなり得ます。特に小さい頃からの積み重ねによってはその人の人生をも左右する事があります。

しかし顔の形成に影響を及ぼすのは感情表現だけではありません。例えば小さい頃から食べ物をよく噛んで食べていない人では、頬や口の周り、あるいは顎にある筋肉が上手く使われません。また何らかの原因で鼻呼吸が上手くできない人では、無意識に普段から口が半開きになってしまったり、睡眠中に長時間口が開いてしまいます(寝相が悪い人は特に)。それらによって顔などの筋肉が発達しにくくなる事でも、顔の凹凸がはっきりとしなくなり、のっぺりとした顔になります。このように積み重ねた食習慣や睡眠習慣なども、実は顔によく表れているのです。

ちなみに「よく噛んで食べない」「口呼吸」という習慣が小さい頃からある場合、特に成長期では、口の周りや顎の筋肉と共に顎の骨も発達しにくくなるため、歯並びが悪くなると言われています。何故なら単純に、歯が生える事のできるスペースが狭くなってしまうからです。顎が小さいという事はすなわち顔も小さくなるので、日本人にとっては良い事のように思いますが、顎の輪郭がはっきりとしないため、特に横顔の形成に大きな影響を及ぼします。これは個人的な考えですが、「美人」として扱われている人の中にも、正面から見て美しい顔でも横から見ると・・・?という人は意外といたりします。そういう人はメディアに出る前に歯並びを治している事も多いです。

顔にある筋肉について簡単にまとめる

顔にある筋肉としては、額(おでこ)全体にあって頭~眉を結んでいる前頭筋、耳の上にある側頭筋、目の周囲にある眼輪筋、鼻を上へ引き上げる鼻根筋、口角を耳の方向へ引き上げる頬骨筋(大頬骨筋・小頬骨筋)、口角を目の方向へ引き上げる上唇挙筋と口角挙筋、唇の周囲にある口輪筋、唇の下にあるオトガイ筋と下唇下制筋、口角を引き下げる口角下制筋、口を横へ引っ張る頬筋と笑筋、耳の前にあって顎を噛み締めるために使われる咬筋、顎の下から首全体を覆っている広頚筋、首の側面にある斜角筋などがあります。もちろんこれらの筋肉の名前を全て覚える必要はありません(笑)

顔の筋肉を動かす事による頭皮への影響

ここで重要なのは、人間の顔ではこれだけ細かな筋肉が、複雑に縮んだり緩んだり事で、様々な感情を表現する事ができるという事です。つまり、例えば顔の筋肉をトレーニングする方法として「頬を上げ下げする」「眉を上げ下げする」「口を大きく開く・口を前へ突き出す」などがありますが、そのような一定方向への単純な動作の繰り返しでは、トレーニングとして不十分な可能性があるという事です。特にそれらの細かな筋肉を複雑に収縮するためには、脳からその筋肉へできるだけスムーズに電気信号を送る必要があります。脳もその途中の神経も鍛える事ができ、使い込む事よって、よりスムーズに電気信号を送る事ができるようになっていきます。よってそのような単純な動作ではなく、より複雑に顔の筋肉を動かすようなトレーニングを行った方が効果的だと思われます。

尚、そのように筋肉はそれぞれが分かれていますが、皮膚は首~顔~頭まで全てが地続きになっており、顔の筋肉を動かす事によっては頭皮も引っ張られる事になります。つまり顔の筋肉を使うようなトレーニングを行う事では、頭皮のストレッチ効果、及びその血流を高める事もできるでしょう。また地続きという意味では、首の前や首の後ろにある筋肉も影響しており、それらの筋肉も一緒にストレッチ・トレーニングしていく事が効果的だと思われます。

顔の筋肉を鍛えるには「短時間で大きな負荷を与える」事が重要

腕や足などの筋肉を鍛えて大きくしていくためには、筋肉に対してある程度の大きさのストレスを与える必要があります。これは顔にあるような筋肉も同じで、「鍛えて大きくする事を目指す」場合、「短時間で大きなストレスを与える」事が基本中の基本です。

ただし顔にある筋肉では「重り」を使う事はできないので工夫は必要です。そこで重要になるのが「筋肉が伸ばされる時にゆっくり伸ばす」事です。これによって筋肉が縮む時だけでなく、伸ばす時にもストレスを与える事ができ、短時間で効果的なトレーニングが可能になります。トレーニングをして筋肉を鍛えようとした時、殆どの人が反復回数やセット数を増やそうとしますが、筋肉への力の入れ方を考えましょう。

筋肉を鍛える事によるメリットを考えよう

心臓から送られた血液は、動脈を通って全身へと運ばれ、静脈を通って再び心臓まで戻ってきます。しかし心臓から遠い場所では効率良く心臓の力が伝わらず、心臓の力にあまり頼らずに血液を送らなければなりません。そのため「心臓とは別のポンプ」がどうしても必要になり、実はその役割を持っているのが「筋肉」なのです。筋肉は伸び縮みを繰り返す事でポンプのように血液を送る事ができ、これにより心臓から遠い場所の血液も、重力に逆らって心臓まで戻していく事ができます。

また筋肉は収縮する事で熱を作り出す事ができ、筋肉自体はもちろんの事、筋肉の周囲にある様々な組織の血液も一緒に温める事ができます。皮膚と筋肉は別々のものですが、体温が下がると、血管が収縮すると、血流を減少させ、それによって熱を逃さないようにします。それが皮膚で起こると、細胞への栄養補給がスムーズにできなくなります。筋肉によって皮膚の温度を高める事ができれば、それを改善する事ができます。

尚、筋肉はエネルギーとしてグリコーゲンを蓄えておく事ができます。このグリコーゲンは糖の一種であり、食事から摂取されるブドウ糖から合成できます。しかしブドウ糖のような糖を摂取すると血糖値が上昇します。高血糖の状態では血液がドロドロになって流れづらくなり、血管の壁を傷つけたり、血管を詰まらせたり、あるいは余剰の糖が脂肪の蓄積に繋がる事があります。それは当然頭皮にとって良くなく、またそれが長期に渡って続けば、糖尿病など様々な病気の原因になると言われています。そこで筋トレです。筋トレではそんな糖を消費し、また消費する度に筋肉内に糖を蓄える事ができる上、筋肉を鍛えて大きくなるとその糖の貯蔵量も上がります。つまり筋トレは血糖値の抑制や脂肪の蓄積に繋がる可能性がある訳です。

発汗による効果を考えよう

発汗は体温が上がった時、中枢神経からの命令により、汗腺という分泌腺から行われます。汗は99%が水分と言われており、その水分の元は血液中に含まれる血漿(血球などを除いた液体成分の事)からもたらされます。それを皮膚の表面に水分を排出し、その水分が蒸発する際、一緒に熱を逃がす事で体温を下げているのです。ちなみに残りの1%はミネラルの他、水溶性ビタミン、乳酸、尿素、皮脂など様々な成分が微量含まれます。

前述のように運動を行って筋肉を収縮させると熱が生まれます。その熱で周囲の血液を温め、それを全身へ循環させる事で体温を維持・上昇させる事ができます。しかしあまりに体温が上がりすぎ、それが長時間に及ぶと、臓器の機能を低下させたり、あるいは生命活動の維持に必要な中枢神経系にもダメージが及ぶ可能性があります。そこでそれを防ぐため、体温を下げて正常の範囲内に保とうと発汗が起こるのです。

何故このような説明をしたのかというと、発汗を促すためにと、発汗だけを目的にして何かをしようとする人が多いからです。例えば半身浴、サウナ、辛い物を食べる、あるいは無理をして厚着をするなどですね。確かにそれを行う事によっては体温が上がり、血管が拡張、血流・発汗が促されます。しかしそのように発汗は脂肪が燃えているか否かに関わらず、体温が上がれば自動的に起こる事です。「汗をかくと痩せる」などと言われる事も多いですが、発汗に脂肪が燃えているかどうかは関係がありません。

また発汗にはよく「デトックス効果がある」などと言われる事もありますが、そのように汗は水分が殆どであり、老廃物の排出手段としては非常に微々たるものです。老廃物は主に便として排出されており、いくらたくさん汗をかいたとしても、いわゆる「デトックス効果」はないと言えるでしょう。

尚、発汗ではそのように水分は排出されるので、何らかの原因で水分代謝がスムーズに行われておらず、水分が滞る事によって浮腫が起きている場合、それを改善する効果はあると思われます。それによって「腫れぼったさ」がなくなれば、「〇〇痩せ」の効果もあるでしょう。ただし繰り返しになりますが、脂肪が燃えている訳ではないのでそこは勘違いすべきではありません(余分な水分が排出されれば体重も減るが、それは脂肪が減ったとは限らない)。

ちなみに発汗では水分やミネラルが失われています。つまり発汗量が増えれば増えるほど、その汗の元になる水分やミネラルの必要量は増える訳です。せっかく発汗を促しても、その補給を怠れば、健康のためにと行っている事が逆効果になる可能性もあります。例えば皮膚の水分量が減って乾燥を招き、皮脂の過剰分泌が促されれば毛穴がつまり、頭皮にとって良くありません。もちろん行うのは個人の自由ですが、行う場合には水分補給・栄養補給を怠らないよう十分注意しましょう。決して一つの事に固執・過信すべきではありません。

顔についた脂肪を落とすには?

筋肉を鍛えて大きくするようなトレーニングは基本的に「無酸素運動」です。無酸素運動では酸素を消費せず、短時間の内に爆発的に糖を消費し、それをエネルギーにして大きな筋力を発揮します。一方、有酸素運動では大きな筋力は発揮できませんが、酸素を利用しながら、脂肪などのエネルギーを少しずつ使い、長時間運動を行う事ができます。

それを踏まえて考えてみると、顔の脂肪を落とすには、やはり有酸素運動の方が効果的という事になる訳ですが、注意すべきなのは「顔の筋肉を動かしたからと言って、顔にある脂肪だけが落ちる訳ではない」という事です。顔の筋肉を動かす事で得られる「顔痩せ」は、前述したような水分代謝が整う事による効果や、筋肉が大きくなる事で皮膚を下から押し上げる「ハリ」による効果が主です。顔の脂肪を落とすには全身の脂肪を落とし、脂肪の総量を減らすしかありません。

つまり「顔痩せ」の効果を得るためにと、顔の筋肉を鍛えるようなトレーニングを行う事はもちろん良い事なのですが、結局は全身をよく使うような有酸素運動、あるいは腕や足など全身の筋肉を鍛えるような無酸素運動を行わなければならないという事です。顔の筋肉を鍛えるだけで得られる「顔痩せ」では、すぐに効果が頭打ちになってしまいます。色んな事を組み合わせるべきでしょう。

ちなみに脂肪はエネルギーとして非常に優秀で、例え正しい有酸素運動ができていたとしても、一度に燃やす事のできる脂肪の量は僅かです。それなら短時間で済み、かつ様々なメリットが有る筋トレなどの無酸素運動を行った方が効率は良いのではないかなと個人的には思われます。ただし有酸素運動には全身の血流を促す効果があるため、それを目的にして行う事はアリだと思います。

頭皮をストレッチするための表情筋トレーニングまとめ

顔の皮膚と頭の皮膚は地続きになっています。頭皮を意識的に動かす事はできませんが、顔の筋肉を動かす事で顔の皮膚をストレッチする事ができれば、頭皮も引っ張られ、一緒にストレッチを行う事ができます。ここではその方法について簡単にまとめます。

●目の周囲にある筋肉を動かす方法

1.鼻の下を伸ばし、口を軽く空け、眉毛を上に持ち上げる。
2.その状態を維持したまま、無理やり頬を上げて笑顔を作ろうとする。
3.すると目尻にある筋肉と頬にある筋肉が収縮して近づく。
4.1を維持したまま、頬だけゆっくり力を抜いていく。
5.そして1を維持したまま、2~4をゆっくりと繰り返す。回数はお好みで。
(応用編:これを左右別々にゆっくり行う。最初は鏡を見ながら行うと良い)

●頬にある筋肉を動かす方法

1.舌の先を上顎につけておく。
2.口を軽く閉じてリラックスする。顎を動かさないように「い」を言うイメージで唇だけを左右に広げる。
3.それと連動するようにして、頬を斜め上方向に持ち上げる。
4.それができたら頬をゆっくりと下げていき、今度は口を閉じたまま下唇をできるだけ前に突き出す。
5.1を維持したまま、2~5をゆっくりと繰り返す。回数はお好みで。
(応用編:左右の頬で別々に、あるいは交互に行う。最初は鏡を見ながら行うと良い)

●額にある筋肉を鍛える動かす方法

1.目を大きく見開きながら、ゆっくりと眉毛を上へ持ち上げていく。
2.目をゆっくりと力強く閉じる。同時に眉毛もゆっくり下げる。すると眉間にシワが寄る。
3.それをゆっくりと繰り返す。回数はお好みで。
(応用編1:左右の眉毛で別々にあるいは交互に行う。また最初は鏡を見ながら行うと良い)
(応用編2:上記の「頬にある筋肉を鍛えるトレーニング」を同時に行う)

頭皮をマッサージする方法

あらかじめ爪を切り、手を石鹸で洗って清潔にしておきます。そして両手の指先を全力で開き、指同士ができるだけ離れた状態にします。その状態で指先だけを頭皮へ当て、頭皮をスライドさせるように動かします。つまり指先で頭皮を擦るのではなく、指先と頭皮を一緒に動かし、頭蓋骨から頭皮をスライドさせる訳です。これを頭皮全体で行う事でマッサージができます。

ただし頭皮を強く押したり、強くスライドさせたり、頭皮や髪の毛を引っ張ったり、擦ったり、叩いたりはしないように注意しましょう。それがストレスになり逆効果になる事があります。ちなみにこれを行った後に全身を使った有酸素運動を行うと、更に頭皮への血流が良くなります。