せっかく睡眠習慣や食習慣を改善していても、顔の皮膚あるいは頭皮へ血液、酸素、栄養などをスムーズに送る事ができなければ意味がありません。ここでは顔の皮膚への血流を促すためのトレーニングや、頭皮への血流を促すためのマッサージの方法について、私なりに考えた事をまとめています。

尚、顔の筋肉を鍛えるトレーニングの方法については、別ブログ「体質を改善したい人のための知識集」にある『「筋トレ法8」顔・舌・喉・頭のストレッチ・トレーニング』に詳しくまとめているのでそちらをご覧下さい。

小さい頃からの積み重ねが重要

人間は様々な感情を顔だけで表現できます。しかし顔にある筋肉は人によって「よく使う筋肉」と「あまり使わない筋肉」が大きく異なります。例えば普段からよく笑う人では、頬の筋肉が発達して口角が上がりやすくなり、あまり感情表現をしない人では頬の筋肉が発達せず口角が下がってしまいます。そのように普段から行っている感情表現によっては「使っている筋肉」と「使っていない筋肉」に差が生まれ、それが顔に凹凸をもたらし、その人の顔の個性として表れるのです。特に成長期ではその積み重ねが顔の形成に大きな影響を及ぼす事があります。

ただし顔の筋肉へ影響するのはそのように普段の感情表現だけではありません。例えば小さい頃から食べ物をよく噛んで食べていない人では、口の周りや顎の周りの筋肉があまり使われません。また何らかの原因で普段から口呼吸ができていない人では、無意識に口が半開きになってしまったり、睡眠中に長時間口が開いてしまいます(寝相が悪い人は特に)。そのような場合、筋肉が発達しにくくなる事があり、成長期ではそれが顔の形成に悪影響を及ぼす事があります。顔のパーツ同士の境界や輪郭がハッキリせず、のっぺりとした顔になってしまうのです。

尚、「よく噛んで食べない」「口呼吸」という習慣が小さい頃からある場合、顎の筋肉と共に顎の骨も発達しにくくなるため、歯並びが悪くなると言われています。これは顎が大きくならず、歯が生える事のできるスペースが狭くなってしまうからです。それによっては顔の形が大きく崩れてしまう事もあり、特に「美人」として扱われている人の中にも、正面から見て美しい顔でも横から見ると・・・?という人は意外にいたりします。

人は顔を見るだけで、その人が自分にとって良い人か悪い人かを判断する事ができます。これは自分の身を守るために持っている防衛本能の一つで、第一印象だけで判断されるのは残念ながら仕方のない事です。不公平ですけどね。しかし別の言い方をすれば、顔というのはその人の人生を左右するほど重要なものと言う事ができます。特に前述のように成長期での「顔の筋肉の使い方」は顔の形成に大きな影響を与えており、親の責任は重大なのです。子どもの将来を考えるなら、感情を豊かに表現できるような環境を作ってあげましょう。

顔にある筋肉について簡単にまとめてみる

顔にある筋肉としては、額(おでこ)全体にあって頭皮~眉を結んでいる前頭筋、耳の上にある側頭筋、目の周囲にある眼輪筋、鼻を上へ引き上げる鼻根筋、口角を耳の方向へ引き上げる頬骨筋(大頬骨筋・小頬骨筋)、口角を目の方向へ引き上げる上唇挙筋と口角挙筋、唇の周囲にある口輪筋、唇の下にあるオトガイ筋と下唇下制筋、口角を引き下げる口角下制筋、口を横へ引っ張る頬筋と笑筋、耳の前にあって顎を噛み締めるために使われる咬筋、顎の下から首全体を覆っている広頚筋、首の側面にある斜角筋などがあります。もちろんこれらの筋肉の名前を全て覚える必要はありません(笑)

ここで重要なのは、人間の顔ではこれだけ細かな筋肉が、複雑に縮んだり伸びたりする事で、様々な感情を表現する事ができるという事です。つまり、例えば顔の筋肉をトレーニングする方法として「頬を上げ下げする」「眉を上げ下げする」「口を大きく開く・口を前へ突き出す」などがありますが、そのような単純な動作の繰り返しでは不十分な可能性があるという事が言えると思います。特に筋肉を収縮するためには、脳からその筋肉へできるだけスムーズに電気信号を送る必要があります。脳も途中の神経も鍛える事ができ、使い込む事よって、よりスムーズに電気信号を送る事ができるようになっていきます。よってそのような単純な動作ではなく、より複雑に顔の筋肉を動かすようなトレーニングを行った方が効果的だと思われます。

尚、筋肉はそれぞれ分かれていますが、皮膚は首~顔~頭まで全てが地続きになっています。またその皮膚は筋肉によって引っ張られます。つまり顔の筋肉だけでなく、首の前や首の後ろにある筋肉も一緒にストレッチ・トレーニングしていく事が効果的だと思われます。

筋肉を鍛えるには「短時間で大きな負荷を与える」事が重要

腕や足などの筋肉を鍛えて大きくしていくためには、筋肉に対してある程度大きさのストレスを与える必要があります。これは顔にあるような筋肉も同じで、「鍛えて大きくする事を目指す」場合、「短時間で大きなストレスを与える」事が基本中の基本です。ただし顔の筋肉では「重り」を使う事はできないので工夫が必要です。そこで特に重要になるのが「筋肉が伸ばされる時にゆっくり伸ばす」事です。これにより筋肉が縮む時だけでなく伸ばす時にもストレスを与える事ができ、短時間で効果的なトレーニングが可能になります。反復回数やセット数をただ増やすだけでは不十分です。

血流を促す有酸素運動も時には必要

血液は心臓から動脈を通って全身へと運ばれ、静脈を通って心臓まで戻ってきます。しかし静脈では心臓から遠いほど重力に逆らわなければならず、心臓の力に頼らずに血液を戻さなければなりません。そのためには「心臓とは別のポンプ」がどうしても必要になり、そのポンプの役割を果たすのが「筋肉」です。つまり顔にある筋肉を動かす事ができれば、血流が促され、老廃物の排出や浮腫(腫れぼったさ)などを改善する事ができます。

また皮膚と筋肉は別々のものですが、筋肉は収縮する事で周囲の血液を温める事ができます。また前述のようなポンプ作用によって、その温めた血液を全身へ循環させ、全身の体温を上昇させる役割もあります。体温が下がると血管が収縮し、細胞への血流が滞ってしまいます。もちろん上がりすぎは良くありませんが、筋肉を動かす事でそれを最低限改善し、顔の皮膚へも一定の効果をもたらすでしょう。

ちなみにニキビを治すためにと、例えば半身浴、サウナ、辛い物を食べるなどをし、体温を上げ、発汗を促そうとする人もいると思います。発汗によって余分な水分が排出されれば、顔の腫れぼったさがなくなり、いわゆる「顔痩せ」の効果が得られると思います。ただしそれは水分が排出された事による効果であり、脂肪は殆ど燃えていません。また発汗による老廃物の排出は僅かであり、いわゆるデトックス効果もありません。この点は注意すべきでしょう。

何故このような事を言うのかというと、「美容のため」「健康のため」と考えた時、そればかりに固執して他が疎かになってしまう事が多いからです。特に発汗では水溶性ビタミン・水分・ミネラルが失われています。その状態を放置すれば乾燥を招き、皮脂の過剰分泌を促すなど、期待したものとは真逆の結果をもたらす事もあります。もちろん行うのは個人の自由ですが、行う場合には水分補給・栄養補給を怠らないよう十分注意しましょう。決して一つの事に固執・過信すべきではありません。

顔についた脂肪を落とすには?

筋肉を鍛えて大きくするようなトレーニングは基本的に「無酸素運動」です。無酸素運動では酸素を消費せず、短時間の内に爆発的に糖を消費し、それをエネルギーにして大きな筋力を発揮します。一方、有酸素運動では大きな筋力は発揮できませんが、酸素を利用しながら、脂肪などのエネルギーを少しずつ使い、長時間運動を行うことができます。

つまりそれを考えると、顔の脂肪を落とすには有酸素運動の方が効果的という事になる訳ですが、注意すべきなのは「顔の筋肉を動かしたからと言って、顔にある脂肪だけが燃える訳ではない」という事です。これは多くの人が勘違いしているので認識を改めるべきでしょう。顔の筋肉を動かす事で得られる「顔痩せ」は、水分代謝が整う事による効果や、筋肉が大きくなる事で皮膚を下から押し上げる「ハリ」による効果です。顔の脂肪を落とすには全身の脂肪を落とし、脂肪の総量を減らす事が重要です。つまり顔の筋肉を鍛えるようなトレーニングはもちろん行い、その上で全身を動かすような有酸素運動を合わせて行うと良いでしょう。

ちなみにですが、無酸素運動によって消費される糖や、筋肉を大きくするために必要な蛋白質は、いずれも余ったものが脂肪になります。つまり無酸素運動を行う事で糖や蛋白質を余らないようにすれば、新たな脂肪の蓄積を防ぐ事ができる訳です。有酸素運動で直接脂肪を燃やすか、それとも無酸素運動で脂肪の蓄積を予防するか、どちらを行うかは結局のところ個人の自由です。ただし有酸素運動は長時間行えば良いという訳ではありません。一説によれば、短時間の連続した無酸素運動と長時間の有酸素運動を比べた時、エネルギー消費量にそこまで大きな差がないとも言われています。これを考えると、運動はあくまで筋トレのような無酸素運動を基本とし、有酸素運動は「脂肪を燃やす目的」ではなく「全身への血流を促す目的」で行う事をオススメします。その方が時間短縮になり、自分の時間が増えると思います。