海藻類は俗に「髪の毛に良い」などとよく言われます。ここではそんな海藻類について、含まれている栄養素や食べる際の注意点などを私なりにまとめています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。

ミネラルはバランス良く摂取する事が大前提

人体にとって必要不可欠なミネラルの事を「必須ミネラル」と呼びます。必須ミネラルは必要量の多い「主要ミネラル」と、必要量は少ないものの欠けてはならない「微量ミネラル」に分けられます。ミネラルの中では特にナトリウム、マグネシウム、リン、カリウム、カルシウムが主要ミネラル、またクロム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、セレン、モリブデン、ヨウ素が微量ミネラルです。

「バランスの良い食習慣」とよく言われるのは、これらのミネラル全てが心身の健康を維持する上で必要不可欠だからで、つまり「ミネラルをバランス良く摂取する」事は髪の毛云々以前に、日々の食習慣において大前提となる事です。それを疎かにして何か特定の食べ物や栄養素を摂取しても、身にならないのではないでしょうか。

尚、それぞれのミネラルの役割を簡単に説明すると、ナトリウムは水分代謝・神経伝達、マグネシウムは骨の形成・代謝補助・神経伝達、リンはエネルギー運搬、カリウムは水分代謝・ナトリウム排出・神経伝達、カルシウムは骨の形成・神経伝達、クロムはインスリンの材料、マンガンは骨の形成・代謝補助、鉄と銅はヘモグロビンの材料・代謝補助、セレンは抗酸化物質の材料・精子の材料、モリブデンは尿酸合成酵素の材料、ヨウ素は甲状腺ホルモンの材料・・・などとして利用されています。

髪の毛への効果としてよく言われるのは「ヨウ素」ですが、ヨウ素から作られる甲状腺ホルモンは全身の細胞における新陳代謝を促す役割があり、確かに分泌されれば髪の毛にも何らかの良い影響をもたらすかもしれませんが、あくまで全身に作用するもので、髪の毛だけに効果がある訳ではありません。また日本は島国であり、比較的海産物を食べる機会に恵まれているため、ヨウ素は意識して摂取しなくても不足する事は殆どありません。海藻類はミネラル豊富なので、それが髪の毛に良い影響を与える可能性はありますが、「ヨウ素」に髪の毛を生やすような効果はありません。


海藻類に含まれているミネラルについて

食用にされるものの中で比較的有名な海藻類の名前を挙げると、例えばワカメ、メカブ(ワカメの一部分)、コンブ、アオサ、ヒジキ、モズク、アオノリ(海苔)、テングサ(寒天の原料)、ダルスなどが挙げられます。特にコンブ、ヒジキ、アオサの栄養価が高く、その3つはビタミンB群やビタミンKも豊富です。

特に海藻類に共通しているのはナトリウム、マグネシウム、リン、カリウム、カルシウム、鉄、銅、マンガン、亜鉛、ヨウ素などのミネラルが、いずれも豊富に含まれているという事です。その中でも、髪の毛の健康を維持する上で重要なミネラルは、マグネシウム、カリウム、鉄、銅、亜鉛、ヨウ素であり、海藻類はそれらのミネラルの補給に適しています。


海藻類に含まれている食物繊維について

海藻類は全体として食物繊維も豊富に含んでいます。食物繊維は消化酵素によっては分解できませんが、腸内細菌によって緩やかに分解され、腸内環境を改善、また腸内細菌が活動する際にビタミンB群やビタミンKを作り出す事ができます。特にビタミンB群は代謝の補助として重要です。体内合成と共に食品からも摂取すべきでしょう。

尚、食物繊維は糖の吸収を緩やかにする効果もあり、これにより血糖値を抑制する作用があると言われています。その一方、糖・蛋白質・脂肪といった体内でエネルギーとなる栄養素は殆ど含まれておらず、カロリーは非常に低くなっています。このため海藻類だけだとカロリーが不足し、省エネ体質となり、基礎代謝が低下してしまう可能性はゼロではありません。重要なのはカロリーを制限する事ではなく、自分の基礎代謝及び運動量に合わせた量を摂取する事です。

カリウムとナトリウムのバランスに注意しよう

海藻類は全般としてナトリウムを豊富に含んでいます。つまり「塩分」の事ですね。海藻類はナトリウムの排出を促すカリウムも豊富に含むので、一見健康に良いように思いますが、それ以上にナトリウムが多く含まれており、海藻類だけでミネラルを補給しようとすると、どうしても塩分過多になってしまいます。

よってもし海藻類を食べる場合、他の食品から摂取するナトリウムの量に注意し、また海藻類以外からカリウムを追加補給すると良いでしょう。特にカリウムの摂取源としては緑黄色野菜、果物、芋類、大豆などがオススメです。一方、海藻類だけではビタミン・蛋白質・必須脂肪酸は不足してしまうので、それらは別途補給しましょう。


海藻類で謳われている一部の健康効果について

海藻類には「フコキサンチン」と呼ばれる栄養素が含まれています。このフコキサンチンは緑黄色野菜に含まれる「β-カロテン」と同じカロテノイドの一種です。フコキサンチンは必須とされる栄養素ではありませんが、一般的にカロテノイド類は強い抗酸化作用があるとされ、活性酸素の異常な増殖を防ぎ、細胞を酸化ストレスから保護すると言われています。

尚、現時点ではまだまだ研究段階ではありますが、フコキサンチンが高濃度で存在する場合、脂肪の燃焼を補助する作用や抗腫瘍作用などをもたらすとも言われています。ただし食品やサプリメントでは明らかに濃度が足らず、実際には現実的ではありません。過信は禁物です。

この他、海藻類には「フコイダン」と呼ばれる食物繊維(分類上は多糖類)が含まれており、これにも様々な健康効果があるとして研究が進められています。ただし食物繊維は一般的に高分子であり、消化酵素では殆ど分解されません。腸内細菌によっては緩やかに分解されますが、フコイダンがそのままの形で吸収される事はないため、フコイダンとして期待されている健康効果は現状ではほぼないと言って良いでしょう(低分子化する技術も開発されていない)。


ミネラルを補給できるオススメのサプリメントについて紹介

ここではミネラルを補給する事ができるオススメのサプリメントを紹介しています。前述のように必須ミネラルは必要量の多い「主要ミネラル」と、必要量が少ない「微量ミネラル」に分かれます。微量ミネラルに関しては基本的に食事からの補給で十分です。しかしマグネシウムのように必要量が多いミネラルもあり、そのようなミネラルに関してはサプリメントからの補給が重要となる場合もあります。

大塚製薬 ネイチャーメイド カルシウム・マグネシウム・亜鉛

これはカルシウム、マグネシウム、亜鉛をまとめて摂取する事ができるサプリメントです。毎食時に1粒ずつ摂取すれば良いでしょう。
小林製薬 ヘム鉄 葉酸 ビタミンB12

これは細胞に酸素を運ぶヘモグロビンに必要な鉄と銅、鉄の吸収を促すビタミンC、赤血球を作るのに必要なビタミンB6、ビタミンB12、葉酸をまとめて補う事ができるサプリメントです。特に成長期や女性では不足しやすいため、そのような人では意識的に摂取しても損はありません。尚、このサプリメントは1日3粒目安のため、過剰摂取の心配をする事なく、毎食時に摂取して補う事ができます。