運動は大きく2つの種類に分ける事ができます。それが「無酸素運動」と「有酸素運動」です。特に有酸素運動は発汗を伴い、また脂肪を燃やしてくれるため、髪の毛の健康に良いと言われています。一方で、筋トレでは筋肉を大きくする事で男性ホルモンの分泌が促されるため、逆に髪の毛の健康に悪いと言われる事があります。ここではそんな「運動」が与える髪の毛への影響について私なりに考えた事をまとめています。

尚、無酸素運動と有酸素運動については別ブログ「体質を改善したい人のための知識集」にある『「テーマ」体質を変えるための運動術』に詳しくまとめているのでそちらも合わせてご覧下さい。

そもそも無酸素運動とは何?

無酸素運動は文字通り「酸素を使わずに行う運動」の事です。エネルギーとして糖を消費し、短時間の内に大きな力を発揮する事ができます。その代わりに持久力はなく、エネルギーはすぐに切れ、筋肉は動かなくなります。

尚、エネルギーとなるのは糖の一種である「グリコーゲン」です。グリコーゲンは普段から筋肉内に一定量蓄えておく事ができ、それを消費して瞬発的に筋肉を動かします。そのように糖の一種なので、食事からの糖の摂取、及び日常的な運動習慣によってその貯蔵量を高める事が重要です。

しかし特にダイエットなどで糖を制限している人では、元々のグリコーゲンの貯蔵量が少なくなっており、些細な動作を繰り返すだけで簡単に疲れてしまいます。それが慢性的な疲労感に繋がり、昼間の活動量の低下、すなわち単純に「やる気の低下」に繋がる事があります。またそれはストレス状態や睡眠習慣の乱れ、更には髪の毛の健康への悪影響にも繋がる事があります。


筋トレは髪の毛に悪い?

無酸素運動の代表例がいわゆる「筋トレ」で、筋トレでは筋肉に大きなストレスを与え、そのストレスに抗おうとする事で、筋肉が次第に大きくなっていきます。それによっては糖・蛋白質・脂肪の代謝が促される他、特に成長ホルモンの分泌が促されると言われています。成長ホルモンは全身の細胞へ作用するホルモンなので、その分泌量が増える事では皮膚や髪の毛など美容にも一定の効果があると思われます。

ただし筋肉を大きくし、またそれを維持するためには男性ホルモンの分泌が必要です。つまり筋トレを行えば当然男性ホルモンの分泌も促されます。男性ホルモンと聞くと、いわゆる「薄毛」の原因になる事が一般的に知られており、その分泌が過剰に行われると、人によっては薄毛が進行してしまう場合があります。

しかしそれには個人差が大きいと思われます。例えばボディビルダーレベル、あるいはスポーツ選手レベルまで体を鍛えるような場合は別として、一般の人がそこまで体を鍛える事は珍しく、多少鍛えている程度では気にするような悪影響はないというのが私の考えです。筋トレで薄毛になってしまう人は、おそらく筋トレをするしないに関わらず、男性ホルモンの分泌量が元々多い、あるいは筋トレ以外に薄毛になってしまう原因があるという事が考えられます。必ずしも筋トレをしたからと言って薄毛が進行する訳ではなく、成長ホルモンが分泌されたり、運動を行う事で血流が促される事は、むしろ髪の毛にとって良い事です。

一方で、筋トレではそのように筋肉に対して大きなストレスを与えます。この際、活性酸素やアンモニアなどの老廃物が作られ、それが蓄積すると新陳代謝が滞り、また細胞が酸化しやすくなるとも言われています。それは当然髪の毛の健康にとっては良くなく、おそらく筋トレをして薄毛が進行してしまう原因の一つには、そういった体にとって不要な物質の排出が上手く行われていないという事が考えられます。

また筋トレの実施方法の問題もあります。無酸素運動は基本的に「短時間で大きな力を発揮する運動」です。長時間ダラダラと行うような筋トレは、筋肉を大きくするために非効率的であるばかりか、そういった体に不要な物質が多く作られてしまいます。それも薄毛の原因として考えられます。更にはあまりにハードな筋トレをする事で、運動と食事・睡眠のバランスが崩れているという事も十分に考えられるでしょう。

以上をまとめると、単純に「薄毛の原因は男性ホルモンが増える事だけではない」という事が言えると思います。


そもそも有酸素運動とは?その実施方法等

有酸素運動は文字通り酸素を使って行う運動の事です。無酸素運動のように大きな力を発揮する事はできませんが、酸素を使いながら、エネルギーとなる物質を少しずつ消費して運動を行います。それにより長時間の運動が可能になります。ちなみに有酸素運動ではブドウ糖(糖の一種)、グリコーゲン(糖の一種)、脂肪の他、実は乳酸もエネルギーになります。

そのように有酸素運動は「少しずつエネルギーを使いながら行う長時間の運動」の事です。「有酸素運動=つらい」というイメージを持っている人は多いのですが、あまりに激しい運動では長時間続ける事ができず、また無酸素運動のような要素が出てきてしまい、大きな疲労感を伴います。特に慣れていない人ではその強度設定が上手くできず、「有酸素運動を行っているつもりが、実際には有酸素運動になっていない」事が多いのです。例えばウォーキング一つにしても腕の振り方や歩幅の大きさなどを調節する事ができ、そうして今の自分の体力に合わせた運動を行う必要があります。

尚、有酸素運動は「長時間続けるほど良い」かというとそういう訳でもありません。何故なら、あまりに長時間の有酸素運動では筋肉へのストレスにより酸化・分解が起こりやすく、筋肉が萎んでしまう事があるからです。また長時間の有酸素運動と、短時間の有酸素系運動(短時間の内に、全力に近い運動と不完全休養を繰り返す等)を比べた時、エネルギーの消費量にそこまで大差なかったという研究結果もあります。つまり長時間ダラダラ走るだけというのは、結果として無駄が大きくなる可能性があります。


有酸素運動は髪の毛に効果がある?

無酸素運動・有酸素運動に関わらず、運動を行うと末梢にある細胞がより多くの酸素や栄養を求め、毛細血管が細かく枝分かれしていくと言われています。これにより末梢にある細胞の栄養状態が改善され、冷え性や浮腫などの予防にも繋がる可能性があります。特に有酸素運動では長時間心臓を動かし続けるため、一定の「血流を促す効果」があると思われます。1日に燃やす事のできる脂肪の量はそう多くありませんが、「全身へ血液を循環させる」という目的であれば、有酸素運動を行うメリットは大いにあると思います。それは頭皮や髪の毛にも良い影響を与えるでしょう。

ただし運動を行うと発汗を伴います。発汗を効率良く行うためには、適切な水分・ビタミン・ミネラルの補給が必要です。それを怠った状態でいくら有酸素運動を行っても、逆に脱水や乾燥などを招き、美容や健康に悪影響を及ぼす事もあります。特に乾燥は皮脂の過剰分泌を招くため、できるだけ避けなければなりません。また有酸素運動は屋外で行う事も多く、長時間の運動による筋肉へのストレスの他、紫外線による細胞へのダメージも懸念されます。更には発汗後の頭皮に衛生状態も懸念されます。もし有酸素運動を行うのであれば、その辺りもしっかりケアすべきでしょう。

尚、半身浴、サウナ、辛い食べ物などでも汗をかく事ができ、それらでも血流を促す効果はあるでしょう。しかしこれらは運動を伴っていないため、脂肪は殆ど燃えません。発汗=脂肪が燃えるなどと都合良く考えない事です。また発汗によってはいわゆる「デトックス効果がある」という事がよく言われますが、汗から排出される老廃物の量はごく僅かで、実際には浮腫改善程度の効果しかないと言われています。過信は禁物です。

ちなみにですが、辛い食べ物に含まれるカプサイシンには脂肪の燃焼を補助する働きがあると言われています。しかし辛い食べ物には一般的に味調節のための糖分、塩分、調味油などが含まれている事も多く、それらの過剰摂取が懸念されます。また繰り返しになりますが、大量の発汗を伴う場合、水分・栄養の必要量が増えています。食べる場合にはいつも以上に水分・栄養補給をしましょう。ただ単に「辛い食べ物を食べるだけで美容や健康が得られる」などと考えるべきではありません。