ここでは「ダイエット」について私なりに考えた事を書いてみます。かなりの長文ですがご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。

●ここまでダイエット志向の高い国は日本ぐらい

アメリカなどの欧米諸国では肥満が社会問題となっています。これは我々庶民にとってファミリーレストランやコンビニエンスストアなどが身近になった事で、誰でも安く高カロリーな食品を手に入れる事ができるようになった事が大きく関係しています。ある程度のお金さえあれば少なくとも食べるものには困らない時代になりましたからね・・・もちろん当の日本においてもそれは同じで、日本人は世界的に見ても食に対する高い関心を持っていると言われています。都心のような人口密集地では歩いて数分間隔と言っても良いほどたくさんのコンビニが、駅前に行けば必ずといってファミレスやラーメン屋などの飲食店が数え切れないほどあります。しかしそんな日本においては欧米諸国のように「肥満が社会問題になっている」という事はあまり聞きません。全体的に痩せ型が多いから「メタボ」が目立つだけであって、食習慣の欧米化による肥満が欧米諸国と同じような「社会問題」と呼べるかというとそこまで大きな問題になっているとは言えません。これは何故かというと、特に日本人に限ってはその食への高い関心の多くが「ダイエット」に対して向けられているからです。

例えば「カロリー○○%オフ」や「脂肪燃焼を促す」というように、日本ではダイエットと結びつく謳い文句の書かれた商品を当たり前のように目にすると思います。毎年毎年新しいダイエット関連商品が開発され、その度にメディアで大々的に取り上げられ、毎回ちょっとしたブームが起きたりもします。今では「○○ダイエット」とつく言葉を考えたらキリがないほどたくさんの種類があります。何故そのようにダイエット商品を店頭で当たり前のように目にするかというと、単純に「ダイエット効果がある商品」とすれば普通に売るよりも売れるからです。例えばメーカーが異なる牛乳が横に並べられていて、その内一つに「カロリーオフ」や「低脂肪」と書かれていれば間違いなくそれを選ぶと思います。日本人は例えばタンパク質がどのぐらい含まれていて、どんな種類のビタミンやミネラルが含まれているかという事よりも、「カロリー」「糖」「脂肪」といった言葉があればまずそれに目を奪われてしまうのです。我々は当たり前のようにそうした食品を選んでいますが、これも日本人が潜在的にと言えるまでダイエットに対する高い関心を持っているからだと思います。

一方、欧米諸国では肥満が社会問題化しているという割には、日本ほど「ダイエットをして痩せる」という事に対して敏感ではないように見えてしまいます。ニュースなどで街を見てみても社会問題と言われている割には肥満の人が多いですよね。何故肥満なのに痩せようとしないかというと、日本人ほど「他人からどう見られているかを考える」という意識が高くないからです。もちろん人と接する上で最低限の身だしなみを整える事は大切な事ですが、欧米諸国では多種多様な民族、宗教、文化が生まれた時から身近にあるため、自分とは異なる見た目・考え方を持つ人たちと共存していかなければなりません。日本人のようにいちいち自分や他人の見た目を気にしていたらとても生きていけないのです。

日本ではみんな黒髪で肌の色が肌色をしていて身長も体型も似通っていますよね。しかし海外では金髪や茶髪もいれば赤髪の人もいますし、肌の色も白っぽい人もいれば黒っぽい人も日本人のように肌色をしている人もいます。もちろん体の大きい人もいれば小さい人もいますし、肥満の人も痩せている人も筋肉質の人もいます。向こうではそれが当たり前なのです。ですから例え肥満だったとしても自分の体型を気にする人は日本人ほど多くなく、そもそも色んな見た目の人がいるので肥満自体がそれほど特殊だと感じないのです。太っている人だけでなく色んな見た目の人がいる中で例え太っていても問題ではないですし、元々痩せている人たちも「色んな人がいる事が当たり前」なので大してそれを指摘しないという理屈です。それによってどれだけ問題提起されていても自分が肥満だという事に気づかなかったり、あるいは気づいていても全く気にしなかったりする人も多いそうです。ちなみにそれだけ多種多様な民族が入り乱れる環境であっても、例えば痩せ型の人が多いような環境では太っているという見た目による差別は普通に起こります。海外だろうが日本だろうがその点は変わらないようです。

当の日本では「自分が自分をどう思うか」よりも「自分が周囲からどのように見られているか」を優先します。加えてダイエットに関心が高いこの国では「痩せ型の方が当たり前」なので、それ以外の「太っている」という事が「攻撃的な視線の的になるのではないか」と思ってしまうのです。もちろん実際に指摘してくるような人もいますが、多くの人は仮に周囲から何か指摘されなくとも、被害妄想か(そこまで注目されていないのに周囲から太って見えているように思う等)のように周囲の視線から逃れようとします。周囲からの無言の圧力によって「痩せなければ」と強い使命感を感じるのです。それによってダイエット志向はどんどん加速していきます。


●ダイエットは結果として心身に無理を強いてしまう

我々の日本では男性よりも女性の方がダイエットに対して高い関心を持っており、おそらくほとんどの日本人女性にダイエットの経験があると思います。女性がダイエットを始める大きなきっかけになるのが「思春期前後の女性ホルモンの分泌」です。

女性は早い人で小学校中学年(小学校四年頃)の頃から既に大人の体になるための準備が始まる人もいます。この大人の体になるための準備を一般的に「思春期」と言い、女性が思春期を迎えると女性ホルモンが大量に分泌されます。女性ホルモンには脂肪を蓄える役割があるため、大量分泌の影響により胸はもちろん全身に脂肪がつきやすくなります。何故脂肪を蓄えようとするかというと、単純に脂肪が子どもを生むために必要だからです。特に妊娠中は胎児に栄養を配分しなければならず、通常よりも多くの栄養を摂らなければなりません。すなわち妊娠中に栄養が不足すると一気に飢餓状態になる可能性があり、万が一にでもそれを防ぐために脂肪を蓄えようとするのです。

もし食べ物をしばらく食べる事ができない状態が続いたとしても、脂肪をエネルギーとして利用する事ができれば、少なくともその間は生き長らえる事ができます。例え飢餓状態に近い状態であっても脂肪さえあれば自分の遺伝子を残せる可能性が高くなる訳です。脂肪はエネルギー源として非常に優秀なんですね。これは言い換えれば「子どもを生むための準備」の一つで必然であり、誰も抑える事はできません。しかし思春期を迎えた多くの女性はその急激な変化に耐えきれず、無理なダイエットをしてそれを抑えようとしてしまうのです。何故「無理な」と言えるかというと、多くの人が行うダイエットが「結果として体に無理を強いる」事になるからです。

おそらく男性女性問わずほとんどの日本人は「日本人は痩せ型の方が健康的で、肥満は健康に悪い」と考えていると思います。それはダイエットをしている当事者ももちろんですが、何より「自分の周囲の人もそう考えている」という事を皆が知っています。そのため日本では「太っている人はダイエットをする」という「当たり前とされている事をしない人」や「痩せ型という当たり前から外れる肥満の人」を強く敵視するという事がよく起こります。ダイエットをするきっかけや目的はどうあれ、周囲の視線から「しなければならない」と強いられる状態になりやすくなるのです。そうして周囲の視線を気にする人ほど「体重が増える=肥満」という固定概念は強くなり、体脂肪率的に見れば平均的なのに「体重が増える=自分は太っている」と勝手に思い込んでしまいます。その結果、ダイエットを生活習慣の一部として思春期以前から繰り返すようになるのです。ですので自分の意志でダイエットをしていると思っていても、実際には「ダイエットをしなければ」という強い使命感に駆られており、自分が気づかぬ内に「結果として心身に無理を課している」のです。


●極端なダイエットは女性ホルモンの分泌量を減らしてしまう

特に女性は「同性に同調を求める」傾向が強いと言われています。女性がダイエットをする最初のきっかけの多くは、「周囲の女性が自分の体型を気にするようになりダイエットを始めたから」という場合がほとんどです。「男性にモテたいからダイエットをする」と口では言っていても、実際には「同性に遅れないため」「同性に嫌われないため」「周囲がしているから」という理由でダイエットをしており、そうして周囲に同調する事で孤立を防ぎ、自分の立場を守ろうとするのです。まぁ流行に敏感な日本人なのでそれは男性も同じなのですが、女性においては特にその傾向が強いと私は考えています。

女性にとっては「ダイエットをしない事」自体がその人にとっては大きなストレスになり、それによって思春期における急激な体型の変化をますます受け入れる事ができなくなります。ダイエットをして周囲の人と同調していないと置いて行かれ、孤立する気がして酷く不安になるんですね。もちろん思春期における急激な体型の変化はいずれ落ち着いていきますが、「ストレスから逃げようとする」のが人間の本能であり、その逃れたい一心でダイエットをしてしまいます。そうして思春期中にダイエットをすると実は思春期中の女性ホルモンの分泌量は少なくなります。女性ホルモンは女性にとって美容にも関わる非常に重要なホルモンですよね。例えば髪の毛や肌を綺麗に保ったり、胸を大きくしたりするためには女性ホルモンが必要不可欠です。しかしダイエットをする事で女性ホルモンが減少し、実際には「美容」とは真逆の結果になっているのです。

何故ダイエットによって女性ホルモンの分泌量が少なくなるかというと、単純に「女性ホルモンを作るための栄養が不足してしまう」からです。「ダイエットをして痩せよう」とした時、ほとんどの人が「食事制限の事しか考えないダイエット」をしてしまいます。食べる量が減れば確かに体重は減りますが、当然女性ホルモンを作るための材料も不足します。意外と知られていませんが女性ホルモンの材料は「コレステロール(脂肪)」やアミノ酸などです。ほとんどのダイエットでは女性ホルモンの材料となる脂肪やアミノ酸の含まれる動物性の食品を極端に制限します。それによって女性ホルモンを効率良く作る事ができなくなり、その分泌量が減ってしまうのです。

すなわち女性ホルモンの分泌量を減らさないためには、その材料となる脂肪を「最低限体に必要な量は摂る事」が極めて重要になります。女性はダイエットをしながら胸を大きくしたい、胸を残したいという事を言いますが、この事を考えれば食事を制限するだけのダイエットではそれが困難なのがよく分かると思います。脂肪を摂る量を制限するのではなく「脂肪の代謝」を改善する方を優先すべきです。


●男性ホルモンと女性ホルモンのバランス

男性は女性と比べればダイエットに対する関心は低いですが、男性ホルモンの分泌量が増える事で髪の毛に悪影響を及ぼすという事はよく知られています。これは何故かというと男性ホルモンに「皮脂を分泌させる」という効果があるからです。皮脂は皮膚の表面を守るバリア機能の役割があり、本来は体にとって必要不可欠なものですが、男性ホルモンの分泌量が増えて皮脂が過剰に分泌されるとそれが皮膚の毛穴を詰まらせる原因になる事があります。それによって思春期ではニキビが増えるのですが、それが頭皮で起これば当然毛穴が詰まり、長期間続けば毛根にダメージを与える事になります。ちなみに男性ホルモンの分泌を不安定にさせる行動としては、例えば過度な筋トレ、頻繁な自慰行為、継続した栄養過多、睡眠習慣の乱れによるメラトニン(下記)の分泌不足などが挙げられます。

また男性でも女性ホルモンは分泌されているため、実は男性も女性ホルモンの分泌量が減る事で髪の毛に悪影響を及ぼします。女性ホルモンは男性ホルモンに対して抑制的に働くため、女性ホルモンの分泌量が減ると男性ホルモンの効果が強く出るようになるのです。それによっても皮脂の過剰分泌が行われるため頭皮には良くありません。尚、男性ホルモンや女性ホルモンはその他の様々なホルモンによってコントロールされていますが、特に睡眠に関わるメラトニンの分泌が狂う事で影響を受けます。すなわち睡眠習慣の乱れが結果として髪の毛に悪影響を及ぼすのです。

更にメラトニンはトリプトファンというアミノ酸の一種から、皮脂は主に脂肪から作られており、食習慣の乱れも結果として髪の毛に悪影響を及ぼします。また脂肪を効果的に燃やすのは有酸素運動であり、運動習慣の乱れも髪の毛に影響を与えます。髪の毛の生え方は遺伝しやすいとよく言われますが、このように様々な生活習慣の乱れも大きな影響を与えているのです。今何をすべきか今一度考えましょう。


●ダイエット・美容に関する余談集

1.男性の標準的な体脂肪率は10~15%、女性は20~25%とされており、もしダイエットをする際にはこの範囲内を目指して行う事が美容・健康のためにもベストとなります。尚、女性で20~25%と聞くと多いように思えますが、全身にバランス良く脂肪が散らばっていれば「太って見える」事はありません。女性においては女性ホルモンをコントロールし、その分泌量を増やす事で脂肪の代謝が適切に行われます。それによって胸へ脂肪が集まるようになり、二の腕やお腹など体の一部に脂肪が偏る事を抑える事ができます。その上で筋肉をつければ更に体のラインが強調され、メリハリのあるいわゆる「グラマー体型」になります。海外の女性が皆日本人離れして見えるのは全身にバランス良く脂肪が散らばっていて、尚且つ筋肉量も多いからです。

2.「有酸素運動」は脂肪を燃やすために効率的な方法ですが、「きつくてつらい」時点で実は脂肪ではなく糖が燃える「無酸素運動」になっている可能性があります。有酸素運動の効果を得るためには長時間続けられるよう苦しくない強度まで下げる事が重要です。尚、有酸素運動では大量の水分とミネラルが必要であり、適切な水分補給をしなければ逆に代謝の悪化に繋がります。脂肪燃焼のために行っているのに逆効果になってしまっては意味がないので、運動時には必ず水分補給をこまめに行いましょう。

3.半身浴は体温の調節機能を鍛えたり、老廃物を外へ出すなどのデトックス効果は期待できますが、実は運動を伴っていないため脂肪の燃焼効果はありません。あくまで体を動かした時に脂肪が燃えやすくするというだけです。また運動を伴っていないとは言え大量の汗をかくので、適切な水分とミネラル補給をしなければ逆に脱水や乾燥を招く事があります。尚、これは辛い食べ物についても同じ事が言えます。体温が上昇して汗はかきますが脂肪は燃えません。あくまで「燃えやすくする」だけです。また辛い食べ物は日本人の舌に合うように塩分と糖分が多めに使われており、毎日食べていると塩分過多・糖分過多となり肥満の原因になる事もあります。

4.食物繊維は糖の吸収を抑え便通を改善する効果が期待できますが、摂り過ぎると逆に腸内環境が悪化し、ビタミンやミネラルなど体に必要不可欠な栄養素の吸収も阻害する事があります。腸内環境は睡眠など様々生活習慣による影響を受けており、そもそも便通を食物繊維だけで整えようとするのが大きな間違いです。まずは生活習慣において最も大きな割合を占める睡眠習慣を改善し、更に運動習慣を改善してお腹周りの筋肉を使いましょう。その上で栄養バランスの良い食事を摂るができれば自然と便通は改善されていきます。